
彼が交通事故で突然この世を去った時、私は18歳でした。
「私は人生で一番大切な人を亡くしてしまったかもしれない」
何度も強く脳裏によぎりました。
18歳は今この瞬間を生きる時で、まだ人生の何かを固める時期ではない
という共通認識的なものが実は心の奥底にある18歳。
「いつかはこの人と」
とうっすら芽生える感情は、まだこれからのもの。
それでも、
初対面のときからとても気が合った。
話題がなくても、一緒にいるだけで楽しくていつも笑っていた。
そんな人は、初めてだった。
「私は人生で一番大切な人を亡くしてしまったかもしれない」
湧き上がる思いと同時に
「彼がいなくなってよかったね」」
という中身のない言葉が頭を掠めるようになった。
意味がわからなかったけれど、心の防御反応か何かかな?と自己分析。
のちに、大切な家族を突然失った友人が、あたかも突然死を望んでいたかのような発言をした。
とっさに不謹慎だの非難してしまいそうな言葉だったが、その前にピンときて肯定してあげることができた。
心の防衛反応は、その言動から察することは難しいものです。